水音は本を開いたまま、また同じ行を何度も目でなぞっていた。
やっぱり内容はほとんど入ってこない。
ページをめくる手も、途中で止まる。
先ほどの席に渚がいる。
机に頬をつけたまま、ノートを開いている。
水音は一度だけ視線を外して、また戻す。
——夢ノート。
特別なもの、という感じではなかった。
ただ、書いているだけだと渚は言っていた。
それでも、気になってしょうがない。
理由は、うまく言えない。
水音は本を閉じる。