風羽(かずは)は、ある日ふいに胸がきゅうっと痛くなりました。

理由なんてない。ただ涙が溢れて、ぽろぽろ、ぽろぽろ止まらないのです。

自分でも訳がわからなくて

どうしたらいいかわからなくて

思わず大天使ミカエルとラファエルを呼びました。

ふたりは光に包まれて、ふわりと風羽のそばに現れました。

「どうしたー?風羽ー?」

ミカエルが優しい声で覗き込みました。

「どこか痛いのかー?何が悲しいんだー?」

ラファエルもぶっきらぼうに声をかけてみました。

けれど風羽は、ただ泣き続けました。

胸がぎゅっと苦しくて、涙が落ちる音だけがぽたぽたと響きます。