水の音がしていました。
ぽこぽこ……ゆらゆら……
それは、耳の奥ではなく、もっとずっと奥の、音じゃないところで鳴っていたのです。
あたたかいもので、まるくつつまれていました。
外はよく見えませんが、どこもかしこも、ふわふわとしていました。
気持ちよくて、さみしくなくて、なんだかずっとここにいたような気がしました。
けれど、だれかが呼んでいる気がしました。
ひとつは、やさしくて、たのしそうで、あたたかい声。
それは、胸の奥にすうっとしみ込むような声でした。
――でももうひとつ。