空は、たそがれと夜明けのあいだにある

ほんの短い夢のような色をしていました。

桃色、すみれ色、それからそれよりもっと淡い、名前のない色。

そして「地面」と呼んでいいのかどうか

わかりません。

けれどそこには、たしかに、ふれることのできる場所がありました。

それは雲のようでもあり

ときどき呼吸をしているみたいに

しずかにふくらんでいました。

そんな場所に、ぽこぽこと

たまごが生まれました。

太陽の光からこぼれおちた、まばゆい粒たち。

ひとつひとつがやさしく光り

やさしい風に抱かれて空にうかんでいました。